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中庭形式の2世帯住宅。この家に住む親夫婦と息子家族の生活リズムは異なっており、スムーズな共同生活にはこの家族に相応しい住まい方が必要であった。そこで、価値観の異なる2世帯の生活プログラムを策定し、この発展的関係性を「気配」とした。
平面計画では、生活空間の中で双方の家族動線が交わることは回避され、共有空間は不要とされたが、他方、いわば中心不在の関係性を空間構造に置き換えるときに、総体としての一個の家をどのように秩序づけるべきなのかが設計上の問題であった。人と人のコミュニケーションは多様にして位相的である。建築空間だけでコミュニケーションの操作をすることは困難だが、空間がその媒体のひとつになり得ることもあるだろう。
こうしたことから、住人の穏やかな関係性をこの家のプログラムの中心ととらえ、一定の機能や拘束力をもたない曖昧な媒体的空間をこの家に導入し、そこに2世帯の関係性を落とし込むことで家全体の秩序を形成しようと考えた。「気配」を建築空間として中庭に置き換え、選択的、恣意的にお互いの家族がコミュニケーションできる場を設定した。
空間構成は中庭を中心にしてダイナミックに構成されており、断面計画は一様ではない。1階は鉄筋コンクリート壁構造、2階は木造であり、中庭からの見上げが多様に展開する。緑や水を積極的に建築要素に取り込んで、環境に優しい斬新な建築言語を開発した。
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