|
研修センターはいわばガス研修の学校であるが、公益企業の責務として地球温暖化防止に向けた環境共生(サスティナブル)建築汎用モデルの提言も視野に入れた。
鳥カゴにはどこか楽園のイメージが漂う。この穏かな空気感を設計の糸口とする考えは、即物的デザインになりがちな環境共生建築に、鳥カゴの両義的、蘇生的なイメージを連鎖させようと試みたためであり、これを建築に置き換えているのが「架構」(建物の骨格)である。
架構は繊細な鉄製フィーレンデール柱とトラス梁により立体格子状に構成されており、無柱空間の獲得とヒューマンスケールの並存を狙っている。環境共生建築は、建物の省エネルギー化と長寿命化が基本構成要素となるが、省エネルギー化は、井戸水・日照・風などの自然エネルギーと化石エネルギーの高効率利用を併用したハイブリッド型省エネルギーシステムを考案して、省エネルギー率28%(竣工後3年間の調査による)を達成しており、同時に、省エネ輻射冷暖房で利用した排水を水盤に溜めてウォーターフロントを創り出し、生態系を取り込んだ環境デザインに利用している。この省エネシステムはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の平成14年度住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入事業に採択され、国のモデル事業となった。建物の長寿命化は、使い勝手に応じて内部機能を容易に変更できるように、架構をSI(スケルトン・インフィル)構成にした。
鳥カゴで環境共生建築を解こうとしたこの方法論の試みは、建築空間の骨格と表現を架構から直接的に生成しようとする、優れて建築的な理由を根底にしている。
|