北総の名医の家

 

 所在地

千葉県印旛郡

 

 構  造

木造 地上1階

 

 計  画

2008年
 掲  載

文部科学省文化庁

国指定文化財等データベース

文部科学省 
文化庁登録有形文化財

 この建物は一般的な民家に比べて規模が大きく、民家の典型平面形である、田の字型プランとは趣を異にしている。平面形は大きく分けて、座敷など応接・学習空間、医療空間、生活空間の3つの機能により構成されていることから、明治初期の医院併用住宅の一例と目される。こうしたことから、この建物は、貴重な類型の民家として文部科学省文化庁登録有形文化財に認定された。

 建物のモデュールは、1間=6尺2寸(1880ミリ)となっており、同時期に建築された他の民家のモデュールとも符合する。板戸、襖、障子の引き手は、「鶴亀」、「瓢箪」、「松」など吉祥文様が、七宝や叩き出し技法により施され、優れた意匠となっている。柱は座敷が杉材、その他の部屋が欅材を使用しており、部屋機能に応じて意匠を使い分けている。 

 外観は、重量感のある屋根に加えて、表玄関上部には入母屋造りの破風を頂いた堂々とした格式の高い構えとなっており、窓周りの繊細な木格子とのコントラストが優れた意匠を生み出している。

明治7年創建の民家改修計画

 外観は望見できる現存部分を残し、建造物の主体構造は現在の木組みのまま、屋根裏の木組み構造を部分的に見上げられるように、天井を取り払う。従来の客間(日本間)を残して、蔵に保存された貴重な文献と共に医学の史跡を展示する。生活の場は、広い土間、かまど、暖炉を置くが、厨房、水回り等の機能は最新のものとする。2階は宿泊や広い収納として利用する。

 改修計画の基本概念は、いわゆる有機農法を含めた自然、環境と一体となった生活、そして人間探求の場とする。有機農法を実践して改良発展させ、野菜、果物が健康の根本である事を、この北総の名医の家から発信していく。当地に於ける、この有機農法の確立は、当地域の農業の発展と貢献に繋がるであろう。将来的には農作業、生い茂る竹を使う竹細工、養鶏、更に家畜との作業等に知的障害者の参加を考えている。

 当家には幕末から明治期にかけての、貴重な郷土史や医学史に関わる歴史資料が残されていることから、地方自治体と連携して、建物の一部で郷土資料の保存と展示を行って一般に公開し、郷土の発展に寄与する。 

 このようなことから、本計画では住まいとしての保存・再生ばかりでなく、農作業を継続していく活動拠点として、また、地域社会の文化的史跡の保存と継承のために、建物を積極活用する計画である。

現地

 

 

□home □works

copyright IWAMOTO & Associates Inc All Rights Reserved