亀田病院

 

 

 所在地

神奈川県横浜市

 

 

 構  造

RC造 4階(改修部2階)

 

 

 床面積

156.53u

 

 

 竣  工

2007年

 永く地域医療に貢献してきた亀田病院リハビリテーション室の改修計画。広い空間が必要な運動療法に、部屋中央の独立柱は困った存在であったが、これを反転するべく柱を「生命樹」に見立ててこの部屋のシンボルとしている。樹木は古今東西を通じて天と地をつなぐ宇宙の媒介者と見なされ、神の拠り代として深遠な地位が与えられてきたが、アニミズムにあっては信仰の対象そのものでもあった。建築にあって、柱の象徴するところは木であり、建築が成立するための根源的存在でもある。他方、人の遺骨は1柱、2柱と数えられるが、奈良時代の「日本霊異記」には、「一はしらの禅師を請くべし(一人の禅師をお招きして)」とあり、「柱は仏や菩薩を数える助数詞であるが高僧にも用いられた:中田祝夫」のであり、柱には尊崇の念や、貴さを表す思いが込められてきたことが分かる。このように、柱の象用と木の意味の連鎖は止まる所がない。

 リハビリテーション室は、患者さんの肉体的機能不全治療ばかりでなく、心をも癒す場であり、それは病院が目指した「感情表現としての身体機能の回復」の場に他ならない。もとより、柱が直接的に病んだ肉体を治癒するものではないが、心と身体の相互作用への眼差しを置き忘れたこれまでの病院環境のあり方は見直す必要があるのではないか。

 生命樹は「太陽」、「火」、「血」といった生命の根源をなす「あか」に染め上げて、人間生来のエネルギーと生命力や傷ついた心身の回復を表象している。前室入口の女性像は、R・シュタイナーが提唱した「オイリュトミー」のレリーフ。

改修前

 

 

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