casa 100

(国民住宅:インフィニティ・ハウス)

 

 

 所在地

静岡県沼津市

 
 

 構  造

木造 地上2階

 
 

 床面積

91.96u

 

 

 竣  工

2000年

 

掲載誌

・グッドデザインアワード

 イヤーブック 2004- 2005

・東京電力 「快適な住まい」

  作品集2004

・旭ガラス ハローアーキテクト

・Living Spheres Vol.4

  106人の家づくり人

・旭硝子「Design Selection」

 作品集

・東京電力 「快適な住まい」

  作品集 2002

Memo 「男の部屋」

・新建築 住宅特集 Vol.176

 

 

受賞暦

・2004年度グッドデザイン賞

  建築環境部門 

・日本大学理工学部学術賞 

・旭硝子 INTER INTRA SPACE 

 DESIGN SELECTION 2000 

 優秀賞

・東京電力 第5回TEPCO

 快適住宅コンテスト

 優秀賞 (最優秀賞なし)

 

 

 

 

 いつの間にかハウスメーカーの住宅が増殖して街並みが荒廃した。そこで、オリジナルデザインと量産住宅の中間にあり、流通や生産方法を考慮した良質な住宅システムを建築家側からの提案したい。

 廉価で汎用性に富み、住み手が自由に暮らせる汎用木造住宅システムのケーススタディである。「インフィニティ・ハウス」と名付け、


@構造材を生かした

  簡潔なデザイン 
A木の無柱空間  
B暖かく涼しい室内環境 


をデザイン3原則とした。

 インフィニティ・ハウスは、どの敷地にもフィットすべく単位モデュールで立体構成されており、住空間のヴァリエーションは豊富である。インテリアは住み手の多様なライフスタイルに応えるべく、豊富なインテリアパーツの中から選択できる。一番の特徴は、10mを優に超える木造無空柱間により、住宅の外部と内部を別々にしてデザインできるため、在来木造工法では困難であった、活生変化に追従した手軽な増改築が可能となっている。つまり、「外は固定、内は自由」に暮らすのがインフィニティ・ハウス流の住まい方である。 

 木造架構の簡潔明瞭なデザインが多様な生活スタイルを許容する、高品質な住宅供給シズテムであり、ローテク、ローコストで全国で建てられる汎用住宅である。

 
 

インフィニティ・ハウス

誕生の裏側

 

 夫婦と子供ふたりの家族構成、ライフスタイルや周辺環境、限られた予算と建築規模など、この住宅のクライテリアは極めてスタンダードなものであり、社会の平均的断面が凝縮されていた。こうしたことから、この住宅を「標準解」のケーススタディハウスととらえ、汎用住宅の提言をテーマとした。 

 一方施主からは、空間の解放、非日常的空間の楽しみ、中庭へのあこがれ、子育てスペース、身障者対応であることなど、標準に対比する施主の固有プログラム「非標準」が求められたため、自由度の高い内部空間の構成をもって応えようとした。 

 標準へのアプローチは、即物的絶対値100uの床面積を指標としてスタートした。100uの床面積は、地方で暮らす一般勤労世帯の標準値であり、同時にこの住宅に重なる。住宅の適正規模は、一人当たり50uで4人家族では200uと目されるが、今日の標準はこれに届かない。そこで、数値を超えた空間意識のエキスパンスを、全体構成の基調とした。 

 どのような住宅であれ、その枠組みを1個人家族とする限りにおいては、特殊解となる。しかし、これら住宅に通底する、社会の価値観、生活感などに、ある時代のスタンダードとなる共通要素を見出し、それらとの関係において建築を成立させることは可能であろう。例えば、終戦後の増沢洵、広瀬謙二らによる優れた最小限住宅の数々は、その好例である。また、1940から60年代にかけて造られた、P.コーニッグやC.イームズらによる、一連のケーススタディハウスもこの系譜に類する。時代のスタンダードは、明快な架構システムをがもたらす美学に結実したのである。「構造」と「架構」は、近似にして異なる概念である。構造は、純粋に力学モデルであるのに対して、架構は空間の骨格を決定する、すぐれて統辞的な概念である。架構の成り立ち要因は様々であるが、その本質は素材特性と建築表現の関係に負っている。つまり、架構による新しい空間の可能性が、可逆的に成立する。

 こうしたことから、100u住宅を解くキープログラムを、包括概念としての架構システムとし、これの標準化と汎用性の可能性を探った。木割モデュールをベースにした、ワーレントラスと規格木材で単位架構システムを構築し、その結果、獲得した流動性の高い無柱空間に、個別解としての生活プログラムを埋め込んだ。「架構」を基軸とした、単純さ、直截さ、抑制されたデザインといった、簡潔で論理的な建築形態と、建築表現の高純度な結晶点を期待した。

 
 


 

 

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